実はこの一瞬のイレギュラーなヒラ打ちこそがジャバロンに隠されたすごさ(2)なのです。ウネウネとトラウト類のように艶かしく泳ぐ姿に注目されがちですが、ビッグバスハンターたちが注目するのも、ジャバロン素材と形状でしかできない一瞬のヒラ打ちアクションにあります。ジャバロンの多関節構造と独特の素材が生み出す、本当にイレギュラーで自然なヒラ打ちウネリアクションは、バサーオールスタークラシックで今江がジャバロンのみで活躍できた源泉でもあります。
今江がオールスタークラシックで使用したのは最終プロトのジャバロン140。0.4gのネイルを腹部左右に薄皮一枚で2本挿入して(上スイミング写真参照)低重心化させた、4/0オフセットフックのノーシンカーリグ。キモはフロロカーボン16ポンドを使ったことにあります。キャスト後、ジャバロンをボトムまで沈めると同時に、ラインもボトムまで完全に沈めるのがコツ。ゆっくりとI字系のようにリーリングして、ラインの存在感をボトムを這わせることで消しつつスイミングさせます。ただし、ウネウネと元気よく泳ぐ速度ではなく、ジャバロンのウネリがほとんど発生しない、文字通りI字引きというほぼノーアクションが望ましいスピード。そして杭などの縦ストラクチャーに自然に触れてウネッとヒラを打った瞬間が最大のバイトチャンス。フリーリグの着底ウネリと同様、ジャバロン独特の不意の多関節ヒラ打ちがバイトのトリガーを引くのです。
ジャバロン復刻で一番こだわったのは、実は昔のままの製造工場と素材でした。現代バスフィッシングでは、ジャバロンを昔ながらのスイムベイトとして使うよりも、新たな高比重ワームとして考えて使うほうが圧倒的に釣れることが多い。今江は無理に泳がせようとせず、『漂わせる』『ズル引く』『放置する』の3点プレーが現代バスフィッシングのキラーコンテンツだと断言します。
このプレーにもっともフィットしている素材のひとつがジャバロン素材。つまり、泳ぎのアクションと波動に反応させるスイムベイト的使い方もできながら、ズル引きでも放置でも拾い食いさせる力を持つワーム的使い方も両方できてしまうのがジャバロンのすごさ(3)なのです。